毎日新聞の連載

もう1ヶ月以上も前だが……毎日新聞に連載があった。記名記事で書いておられるので差し支えないと思うので明記するが、毎日新聞の神戸金史記者がご自身のご子息が自閉症である事を踏まえて書かれた記事だと思われ、よく知らない人が書いた通り一遍の記事とは違う部分が多々あり興味深く読んだ。


記者の目:自閉症児の父として=神戸金史(社会部)
(既に毎日新聞のサイトでは掲載期限終了、googleキャッシュはこちらだがいつまで保持してもらえるのか不明)

この連載の始まる前に神戸記者が「記者の目」で書いたのが衝撃的な部分を含んでいた。

 2年前、前任地の福岡で自閉症児がいる家庭を訪ねた。父として勉強したい。記者として自閉症を世に知らせたい。そう思った。

あなたをどう思っているんでしょう」と母親に尋ねた。「騒げばご飯が出てくる便利なロボットでしょうね」。言葉を失った。取材の意欲はかき消え、目の前が暗くなった。

自閉症児の親である記者ですら(あるいは親だからか)、取材の意欲が消え、目の前が暗くなるほどの現実。そして、

「虐待を受けている一部の幼児は自閉症なのではないか」という疑念を捨て切れないのだ。目も合わせず、表情も乏しく、愛しても愛が返ってこない子……。子育てに悩む親が自閉症を知らず虐待に走っていたとしたら、悲劇だ。

との指摘。かなり当を得ている可能性があるこの指摘。こういう側面を真正面からとらえた記事は私は初めて見た。

この記事に対する反響がかなりあったらしい。


自閉症:家族ら「虐待と疑われ」 記者の目に反響
(既に毎日新聞のサイトでは掲載期限終了、googleキャッシュはこちらだがいつまで保持してもらえるのか不明)
という記事が掲載された。

自閉症児はパニックを起こしやすい。幸い近所の人が保護してくれたが、夜、泣き叫び裸足で家を逃げ出した幼児の姿に、虐待を疑われ通報された。「警察から事情聴取され、情けなくて死にたくなった」と振り返る。

「周囲からは『親のしつけがなっていない』と批判の目にさらされ落ち込んでしまう」

通りすがりの人に「変な人」「あの人の着てる服、変だよね」と口走った。見た目はごく普通の小学生なだけに相手は激怒して「甘やかしている」「しつけが悪い」と言い寄られた。

乳幼児健診で不安を相談した保健師から「友達もいないから子育ての悩みを相談したいの?」と相手にされなかった。担任教師はパニックを起こす子供に「帰れ」と怒鳴り、校長には「こんな大変な子が学校に見てもらえるだけありがたいと思いなさい」と諭された。

「愛情を注いでも反応がない息子に対し、憎しみさえ生まれた」と複雑な感情を吐露した。子供の首を絞めそうになったこともある。「母なのに愛情が持てない」とは誰にも言えなかった。「息子をたたきながら、『助けて』と悲鳴を上げていた」と告白する。また、自閉症が先天性障害と知られていないため、「障害と分からず虐待に至る親は多いのでは」と理解を広める必要を強調した。

すんません、どうも引用が多すぎるかも……
ただ、こういう内容を、全国紙で報道されたと言うことには大きな意味があるかなあと思う。
自閉症児の親になりたての人向けの情報、周囲の人に理解して貰うための情報など、普通の人が簡単に入手出来る情報源にはこういう情報はなかなか載らないから……

連載本編については後ほど……