「ブレーン・イメージング」の第一人者 川島隆太・東北大教授に聞く

 これと同じ文脈で考えていくと、さまざまな脳の病気に応用できる可能性があります。精神科系の疾患は、実は「心の病」ではなくて、脳内のある特定の部分の働きが低下しているのです。例えば、統合失調症の患者は、我々が注目している前頭前野の機能が低くなっています。また、うつ病患者も、前頭前野の内側面の働きが下がっていることが分かっています。さらに、子供たちの自閉症も、やはり前頭前野の機能が低下していることが確かめられています。

問題は、何故低下して、どうすれば活発になるかだよな。あるいはその機能低下は何か他の原因から生み出される結果でしかないかもしれないから。生まれつきで、直らないとされているものが直る可能性があるのか……研究が進むとどうなるか……