そりゃ全く問題ないシステムなんてそうはないだろうて。

「成果と評価の判定が難しい」「本当に個人の成果を引き出しているか疑問」。民間調査機関の労務行政研究所(猪股靖理事長)が成果主義人事・賃金制度について、大手企業の労使にアンケートした結果、経営側の88%、労働側の94%が「問題がある」と回答したことが20日、分かった。 1990年代後半から急速に導入が進んだ米国型成果主義だが、日本型の人事処遇制度やチームプレー重視に必ずしもなじまずに各企業が悩んでおり、運用面で修正の方向に進んでいることが分かる。 調査は昨年12月から今年1月にかけて、大手企業の労使を対象に実施し、219人から回答を得た。

この記事以上に今回の調査結果を詳しく書いてるところがないから何ともいえないけど、問題がないシステムなんてないだろう。どの程度深刻に問題ととらえてるかとかきちっと伝えて欲しいなあ。
労務行政研究所っていうところは、「労政時報」っていう専門誌を発行してるらしく、ホームページから最新号の見出しを見ると、

労使アンケート219人に聞く
成果主義人事制度の導入効果と問題点
成果主義に対する評価は労使で“温度差”あり(当研究所編集部)
[関連資料]成果主義に関する調査(日本能率協会

微妙に共同通信の記事とずれを感じるなあ、見出しの雰囲気では。共同通信の記事では労使ともに「問題あり」ととらえてるかのようにいってるけど、経営者側は「問題点はあるが高く評価してる」んだろうなあ。

この見出しを見て日本能率協会のホームページをみてみたら、こっちのほうがかなり詳細な別の調査結果がのってる。

成果主義に関する調査結果の発表日本能率協会(会長 富坂良雄)は、2004年11月〜12月に、わが国主要企業(1,325社)の人事部・部門トップ(コアビジネスを担う部門のトップ)・従業員(コアビジネスを担う部門の従業員)を対象に、「成果主義に関する調査」を実施した。その結果、成果主義の導入が近年指摘されているほど組織風土に悪影響を与えていないことが明らかになった。その一方で、成果主義導入の理念が従業員に浸透しておらず、運用面では人事部の理想と現実には大きな差があるなど定着に向けての課題も浮き彫りになった。

全文は
http://www.jma.or.jp/release/data/pdf/20050223.pdf
関連資料が
http://www.jma.or.jp/keikakusin/2005/20050316_hanada.pdf
http://www.jma.or.jp/keikakusin/2005/20050316_murahashi.pdf

Yahooトピックスでも紹介されていたNikkeiBPのアンケート結果もついでにリンク。
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/ques/348055
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/317629

いろいろむずかしいよなあ。うちの会社でもずいぶん前に導入されたけど、経営が厳しい時期に導入されてるから、「形を変えた賃下げじゃないの?」って言う意識が根強いような気がするんだよなあ。評価にもやっぱり課題はあるし。