医療制度

療育は人手がかかる割に収入に結びつかないので経営が成り立ちにくく、民間ではなかなか手を出せません。先に述べたようにマンパワーが育たず、民間が手を出せない経営環境が放置されたままですから、発達障害を診断・治療できる療育機関が限られ、これだけ社会問題になりながら、受診までに数か月以上待つことが普通という実態が解決されません。またわが国では、自閉症ADHDへの薬物のほとんどは医療保険の適用がなく、保険を厳格に適用すると、薬を使ってはいけないことになります。事実、私は平成14年に百数十名のADHDの患者さんの1年分の医療費の返還処分を受けてしまいました。「わが国の軽度発達障害の医療水準が、欧米に追いつくのは当分無理」、残念ですがこれが今の私の結論です。

これではきついよなあ。きちんとした制度ができて欲しい。大学病院で診察してもらって思うんだが、大学病院だから成り立つような診察だよ。診察時間がかかる割に患者負担が少ない。個人病院でこれをやるのは難しいよな……。